タチコマのお勉強用ブログ

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2冊目 西岡壱誠著:「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる東大作文④

6/22 西岡壱誠著:「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる東大作文④

 

昨日まで「伝わりやすい作文」と言う点にフォーカスして書いてきたが、
それだけでは読者を説得する(影響を与える)ことはできない。

 

読者を説得する(影響を与える)ためには読者を引きつけなければならないのだ。
そうなって始めて「文章の伝わりやすさ」や「論理」は十分な力を発揮する。

そして、読者を引きつけるために最も重要なことが、読者を「記者」にすることだ。

 

では、記者とは一体どう言う意味なのか。どうすれば記者になってくれるのか。

 

 そのことを今回説明する。

 

なぜ読者を「記者」にしなければならないのか

読者は真剣に読んでくれない

テレビを見るとき、ほとんどの人の反応は次の2つに別れる。

  1. 特にリアクションを取らずに静かにテレビを見る人

  2. テレビの内容に「えっ!?」とか「そうなの?」とかリアクションをとったり、いろいろなことを考えながら見る人。

 

 一体どちらの方が、番組に集中しているのだろうか。

 

 一見、1の方が番組に集中しているように思えるが、実際は2の方が番組に集中している。

 いちいちリアクションを取ると言うことは、内容に対してしっかり向き合って情報を受け取っていると言うことだからだ。

 

 文章を読むときも同じで、ただ漫然と読む人よりも、疑問や興味を持って読む人の方が多くのことを学び、受け取れる。

 逆に言えば、文章で何かを伝えたいなら、
読み手を
『ただ読んでいるだけの「読者」』から
『リアクションやメモ、質問をしてくれる「記者」』にしなければいけないのだ。

 

「記者」を作り出すには?

ではどうやって読者を「記者」にするのか。

そのためには次の2つのステップを踏む必要がある。

 

読者を「記者」にする2つのステップ

  1. まず、相手に「説得力がある」と思ってもらう。

  2. 次に相手に「会話してみたい」と思ってもらう。

 

1が今回紹介する「一人ディベート」。2が次回紹介する「質問トラップ作り」。

両方とも重要なテクニックなので、ぜひ押さえておきたい。

 

読者を「記者」にするための2つのステップ 〜その1.一人ディベート

 一人ディベートをするにあたって、意識しておきたいのが、話をするときは出来るだけ「断言」することだ。

 

 断言することで、相手に「本当に?」という疑問を持たせ、以降の話を積極的に聞いてくれるようになる。
 逆に、自信のない人が、「〜かもしれない」を連発するディベートほどつまらないものはない。

 面白く、説得力のあるディベートとは、相手が「ツッコめる」ポイントを準備した上で、相手の批判を「譲歩」して受け取り、それに的確に反論することで相手にインパクト」を与えていく、そんなディベートだ。

 

 一人ディベートは、強く主張した自分の論に、読者が考えそうな質問をし、それに対する反論をぶつけて自分の主張の説得力を増す。

 

ツッコミ作り

質問、つまり自分の論のツッコミポイントを作る上で、考えるのは次の3つだ。

 

  1. 証明できるか
    主張の根拠を問うツッコミ
    ex)『本当にそうなの?なぜそう言えるの?』

  2. 反論、例外はあるか
    主張を別の事実と比べるツッコミ
    ex) 『この場合はどうなの?これには当てはまらないんじゃない?』

  3. 弱点はあるか
    こちらの主張を認めた上で、100%間違いないかを聞いてくるツッコミ
    ex)『デメリットは?こっちの方が良いんじゃない?』

 

これらのツッコミをきちんと作って

 「〇〇は〜〜なんです。『でも××なのではないか』と言う意見がありますが〜」

と言う風に論を展開していくと

 読者は、「あぁ、この人は自分の意見の弱い部分をちゃんと理解しているんだな」と肯定的に見てくれるようになる。

 

 

 この3つの「ツッコミ」を作ったあとは、次の「譲歩作り」で効果的な反論を構築していく。

 

譲歩作り

 譲歩とはギャップを生み出して、説得力を増すためのテクニック

 相手の意見(ツッコミ)を一度受け入れて、それに対する有効な反論を返すことで説得力が大幅に上がる。

 その際、ツッコミが的確であればあるほど、「譲歩」→「反論」のインパクトが上がる。

  1. 「たしかに」型…反対意見が入りやすい

    ex)「たしかにA(ツッコミ)です。だけど、B(反論)です。」



  2. 「もちろん」型…弱点が入りやすい

    ex)「もちろん、A(ツッコミ)ではあります。でも、B(反論)です。」


  3. 「〜なんじゃないか」型…次回「質問トラップ作り」で解説

    ex)「A(ツッコミ)なのではないか、と考える人もいると思いますが、実はB(反論)です。」

 

 このように「譲歩」をしたら次は「反論」を作る。

 論の例を一つ上げてみる。

 


 「ロトシックスは年末ジャンボ宝くじよりも多くの人が当たるからおすすめ」


 

  1. 「証明できるか」に対する反論
    一人の意見ではなく、客観的な意見である

    ex)『本当にそうなの?なぜそう言えるの?』
    →「客観的データがある。否定できない事実がある」

    ex2)「本当にロトの方が多くの人が当たるの?」
    →「ロトの方が当選者数が多いというデータがある。」


  2. 「反論、例外はあるか」に対する反論
    信じた場合にマイナスが大きくない

    ex) 『この場合はどうなの?ここは違うんじゃない?』
    「逆に言えばこういう見方がある。こういう点で例外だ。実は当てはまっている。」

    ex2)「多くの人が当たるっていうけど、ロトは当選者がゼロの時があるよ?」
    →「週単位ではゼロの時があるけど、1年間で見たらゼロではない」


  3. 「弱点はあるか」に対する反論
    信じることが自分にとってプラスになる

    ex)『デメリットは?こっちの方が良いんじゃない?』
    「こういうメリットがある。この点で他より優れている。」

    ex2)「ロトのデメリットは?年末ジャンボの方が良いんじゃない?」
    →「ロトは年末ジャンボの数十倍の回数実施しているし、当たらなくてもキャリーオーバーで当選金額が上がっていく点が年末ジャンボよりすごい。」

 

 

インパクト作り 

 インパクト作りは、「主張」をインパクトの強い表現に書き直すことだ。


 これは、譲歩作りができていれば簡単で、「譲歩の中で最も綺麗に反論できていて、ギャップが大きいもの」を選ぶだけで良い。

 

 最後に

 以上の「一人ディベート」を意識して、読者を「記者」にできればあなたの主張の説得力、影響力はぐーんと上がる。

ぜひ意識してやってみよう。

 

次回は読者をさらに強く引き込むためのテクニックである、「質問トラップづくり」を紹介する。