1冊目 本多静六著:私の財産告白④
6/13 本多静六著:私の財産告白④
儲ける人儲けさせる人
ここまで散々言っている金儲けとは単に手持ちの金を増やすことではない。
手っ取り早く増えた金は手っ取り早くなくなる。筆者のいう真の金儲けは道徳も教養も生活も社会奉仕上も、およそ全てをプラスにすることだ。
金はその結果生まれた残りカスでしかない。
物事は全て表裏一体で、儲けたいなら儲けさせないといけない。
有意義な事業でも儲からないものは続かない。また、自分だけが儲かっていてもやはり続かない。
事業家の利益は、一つからたくさん取ろうとするのではなく、広く薄く安全に手に入れることが良い。
利己的にいれば、いずれ関係者と利害の衝突をして、破綻してしまう。
金儲けの世界は実は単純で多くの場合ギブアンドテイクだ。
一方、人と人の世界は単純ではない。
どんな場所にも面倒な人と人の問題はある。
それらは往々にして理屈より感情の世界で、傲慢な振る舞いや、他人の顔を潰す行動をとるやつなんてものは嫌われても仕方ない。
筆者は大学教員の初期にまさにそれをやって大学を追い出されそうになったことがある。
その時は、相手の要求を一度全面的に受け入れた上で、きちんと誤解を解くための話し合った結果、追い出されずに済んだが、元々は身から出た錆であったために、ただただ反省した。
同じ時代の失敗話をもうひとつを付け加える。必要以上の謙遜はよくない。必要のない妙な謙遜をして気持ちが良いのはその時だけで、大抵あとから後悔する。
先輩より上の役職を謙遜によってフイにした結果、その後数年にわたって後悔することになった。
不要なものを受け取る必要はないが、必要なものを受け取らないのも問題だ。
筆者はその事を強く感じ、その後はキチンと仕事をする際に立場や権限を要求した。
実際、そちらの方が結果も出せたのだ。(P160まで)
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1冊目 本多静六著:私の財産告白③
6/12 本多静六著:私の財産告白③
1-5. 投資の鉄則
第5章は本多氏の元に、著書を読んだという青年が訪ねてくるところから始まる。
青年は「努力して雪だるまの芯を作ったが、いざ金を増やそうとしてみればかえって減っていく、どうすれば良いのか。」と問いかける。
それに対して本多氏は、根本的な心構え、「人一倍お金を手に入れるなら人一倍頑張らなければならない」ということを教えるが青年は納得しない。
「どうか具体的に…」と言うので、改めて本多氏は青年にお金を増やすための具体的な手法を教えることにした。
2−1. 七転び八起き
人生どうしても儲かる時と儲からぬ時がある。どんなに力のある人物でも時勢には勝てない。そう言う時はスッキリ忘れて、気分転換でもした方が良い。人生における七転び八起きは天が与えてくれた気分転換の機会である。これを上手に受け入れるかどうかが、その後成功するかどうかの分かれ目になる。
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1冊目 本多静六著:私の財産告白②
6/11 本多静六著:私の財産告白②
財産はあの世に持っていけない。
であれば、どうにかして財産を「処分」する必要があるわけだが、その中で多く選択される手段が、「子孫に残す」ことである。
大部分の人と同様に筆者も、子孫を幸福にする為に財産を残すことを考えた。
しかし、まとまった財産を作った上で、「幸福とはなんぞや」ということを考えてみると、親からの財産が必要だとはどうにも考えられない。むしろ不幸にするのではないか。結局のところ幸福とは自分自身の努力で勝ち取り、感じるものであって、財産を与えてしまうことは、財産を得る過程で身に付けることができるはずだった精神修行の機会を奪ってしまうのではないか。
そう考え、財産のほとんどは社会に寄付する形で処分した。
これが、本多氏が考えた「財産処分法」であり「子孫を幸せにする法」である。
本多氏自身のの経験で、「若い頃に初めて食べた天丼が素晴らしく美味かったので、留学帰国後に天丼を2杯食べてみたが、特段幸せを感じるわけではなかった。」という話がある。
使えるお金が倍になっても幸せが倍になるわけではない。幸福というのは、現在の立ち位置ではなく、生活が上向いているか、下向いているかで決まる。すでに高いところにいる人は、落ちやすく登りにくい。低いところにいればその逆だ。
資産を作ってそんなことに気づいた。
財産を持った上で注意するべきなのは、金の貸し借りと儲け話だ。
一度金を仮に来る人は2度3度借りに来ると思って良いし、途中で貸すのをやめれば恨まれる。半端な貸し借りを行ってもその人の堕落を助けるだけになってしまう。その時が来たのであれば、その時は完全にあげてしまった方が良い。
また、儲け話は往々にして都合の良い話として降ってくるが、そんなものはない。
ローリスクハイリターンなんてあるわけがない。そんな話があれば誰もが自分の中だけのものにするであろう。
お金を増やしたいのであれば、成功を焦らず、不慣れなことをせず、自分ができることを確実に実行していくべきだ。(P87まで)
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1冊目 本多静六著:私の財産告白①
6/10 本多静六著:私の財産告白①
江戸時代に生まれた本多氏は11歳の時に父を失い、以後長年にわたって貧困に苦しめられる。少年時代は貧困ゆえの堪え難いような苦しさや惨めさを味わい、その時の経験から精神、生活の独立の為に貧乏から脱却することを決意する。
ドイツ留学から日本に帰った25歳の頃、東大農学部にて助教授となる。
これが最初の任官であり、一般的に家族を養っていくだけの給料は得ていた。しかしながら、その給料をあてにしてか寄食者が増え、家は裕福とは言えない状況になる。
貧乏から脱する為には、貧乏を圧倒して、こちらからやっつけなければならないと決意。
ドイツの恩師に言われた、「優に独立生活が出来るだけの経済的な土台を作っておかなければならない。そうでなければ学者も何も無い。その為には、まず種銭をしっかりと作り、機を見て投資を行うこと。」という言葉も背中を押した。
そこで「四分の一天引き貯金法」を実行。これがのちに大きな財産を作る元となる。
行うことは簡単で、給料・収入の一切に関して、その四分の一が元からないものと考えて生活する。四分の一は貯金する。
存在していないことにするのだから、実行出来るもできないもない。初めから無いのだから。家計を都度、やりくりするより、決めたかかった方が楽だ。
この貯金法の最大の山場は、初めの一回。一度できればその後も続けられる。
人間は、人生の中で一度は貧乏を経験するものだから早いうちに経験して、のちを楽にする方が良い。
人間が豊かに生きる為に最も邪魔になることは虚栄心だ。
自分が「銅」の人間なのに、暮らしを「金、銀」にしても続かない、意味がない。
事実を見つめ、事実より一歩踏み出し、いっそ自分より下の「鉄」から出発していくべきなのではないか。そう言った状況を無理やり作り出す意味でもこの方法は良い。
種銭を雪だるまの芯として、資産をどんどん増やした。四分の一貯金を始めた当初こそ、生活は苦しかったが、預金の利息(このうちの四分の一も貯金に回した)が増えるにつれて生活は楽になり、やがて自分の給料よりも多くの収入が入るようになった。
そのおかげで仕事、学問を「道楽」として、今まで以上に楽しく追求する余裕が生まれ、人一倍働いた。
その他、継続したこととして一日一ページの「文章執筆」がある。
どんな時でも一日一ページ。病気にかかったり、所用で書けないときは積み上げて、後日に二ページ、三ページ書く。
そうして、投資の機を待った。投機でもなく、考えるだけでもない「投資」である。
投資の際に気をつけたのは、「二割利食い、十割益半分手放し」だ。
先物取引において、利益が出たら、どんなに欲求が強くとも二割で利食い、手仕舞いし利ざやの確保をする。手元に残っても無理のない株式購入であれば、手元に塩漬けして上がることを待つこともできる。
たまに2倍以上に高騰することもあるがその時は、元金を確保したら自由。元手は取り返しているのだからタダみたいなものである。
こうした試みから始まり、投資も上手くいき、大きな資産を手に入れたが、やがて「本多の財産」から「財産の本多」と主客の逆転を起こす。(P53まで)
感想
働く為に生きることから脱却したいのであれば、やはり本業以外に生活できるだけの収入源を持つことが不可欠であると思う。
この段階では種銭づくりも勉強もその為に存在し、必要となる。
もちろん後々、勉強(学び)は趣味、道楽としたいけど…
貧乏は絶対に一度経験することになるという文があったが、すごい人は誰も彼もみんな同じことをいう。陰陽五行にもバランス思想はあるし、一度反対側に大きく傾かないと求める場所まで届かないのか。
今の自分として考えるとどうすべきか、無理に貧乏になるというのもよくわからないが、毎月5万円の貯金とこの要約&アウトプット作業は自分の助けになることは間違いないはず。続けないと…
実際、最初から給料を別口座に定額で入れることは良いと思う。
途中でズルをしているのはよくないけど、今月末で貯金額は70万を越す。
年間90万ペースだから来年の今頃は160万、その次は250万の投資資金が生まれる。
最近、このまま10年、20年経ってしまうのではないかという不安感があったが、こうやって「資金づくり」と
「「「「勉強、実行」」」」
が続くのであれば、どうとでもなると思う。まだ1日目だが。
本文で金銀銅の話をしていたが、今の自分はどう見積もっても金銀ではないので、自分を磨いてその領域に飛ぶ準備をしなくてはいけない。